ウズベキスタンってどんな国?と聞かれて「こんなところ」と説明できる日本人はそう多くないと思います。そもそも場所もどこかわからないという人が多いのではないでしょうか?
しかし、この記事を読んでくださっているあなたは何かしらウズベキスタンに興味を持っているはずなので、ウズベキスタンという国を知ってもらうために、基本的なことや魅力などをサラッと紹介していきます。
ウズベキスタンってどこ?
ウズベキスタンは中央アジア5か国の一つで、他の4か国(カザフスタン・キルギス・タジキスタン・トルクメニスタン)それぞれと国境を持つ唯一の国です。
とはいえ中央アジアってどこ?って話になりますよね。ロシアの南、中国の西、アフガニスタンやイランの北、カスピ海の東に位置しています。
ウズベキスタンは古代シルクロード、東西貿易の要衝でシルクロードのオアシスとも呼ばれています。
ウズベキスタンの気候
ウズベキスタンの気候は大部分が大陸性気候になります。大気中の水蒸気が少ないため降水量が少なく、昼と夜や夏と冬の寒暖差が大きいのが特徴です。
一部砂漠を抱える国なので想像に難くないとは思いますが、場所によっては8月の降水量がゼロなんて所もあります。雨が降っても1日程度というところが多いようです。
夏は酷暑と言われるほど気温が高くなり、昼は35度を超えるほど暑くなることもありますが、最低気温が20度を割るようなこともあるので服装や体調には気を付けなければなりません。
冬は最高・最低気温共にプラスマイナス1桁度くらいで東京より少し寒いくらいになります。首都タシケントでも雪が降るくらいには寒いです。
観光で気になるウズベキスタンの治安
「~スタンと名の付く国は危険」なんて思ってませんか?ウズベキスタンは一部アフガニスタンとも国境を接していることもありますし、イスラム教の信者が大半を占めている国でもあります。しかし、危険というイメージは誤解です。
首都タシケントは人口230万人を超える中央アジア一番の大都市で近代化が進んでいますし、青の都と呼ばれる世界遺産サマルカンドは観光都市として発展しています。
ウズベキスタン人は多民族国家ということもあり相手を尊重する思いやりを持ち合わせています。親日家も多いのでウズベキスタンを訪れるとイメージの違いに驚く人がほとんどです。
もちろん異国の地ですので文化の違いなどから注意するべきことは多々あります。でもそれは欧米諸国に行く時も同じですよね。思っているほど治安は悪くありません。
ウズベキスタンの言語
ウズベキスタンの正式な公用語はウズベク語です。独立前のウズベキスタンは旧ソ連に属していたのでロシア語を話す人も多くいます。
文字もラテン文字やキリル文字が使用されているため、知識のない人には敷居が高く感じられます。
外国人向けのホテルなどでは問題ありませんが、日本と同様に街中で英語はほとんど通じないと思っていた方がいいので、相応の準備をしておくとより一層ウズベキスタンを楽しめます。
ウズベキスタンでも主要なところでのスマホの通信インフラは整っているので、翻訳アプリやタクシー配車アプリなどをインストールしておくと非常に便利です。
ウズベキスタンのお金や物価
ウズベキスタンの通貨単位はスム(SO’M)。1スム約0.01円(2021年4月現在)です。物価はおおむね3分の1程度と考えるとわかりやすいと思います。
現地で日本円からスムへの両替はかなり場所が限られるので、日本円を米ドルに両替して持って行くのがいいでしょう。というのも、たとえ100ドル札1枚を両替してもスムの札束になって返ってきます。急にお金持ちになった気にもなりますが、一度に多くの両替をするとなによりかさばって管理が面倒。ある程度こまめに両替をするなら両替のしやすい米ドルが便利ということになります。
クレジットカードはMasterかVisaを持って行くようにしましょう。JCBはほとんど使えません。ウズベキスタンではまだまだ現金が主流なため、クレジットカードがどこでも使えるというわけではないので注意してください。
ウズベキスタンの基本知識
国土:448,900平方キロメートル(日本の約1.2倍)
人口:約3,404万人
首都:タシケント
主要産業:綿繊維産業・食品加工・機械製作・金・石油・天然ガス
外務省ホームページのウズベキスタン共和国基礎データにて基本的な情報や国の略歴、政治や経済のことまで確認することができます。
ウズベキスタンの国旗
1991年ソ連解体の時に独立したウズベキスタン。その際制定された国旗です。
青は澄み切った空と生命の源である水を表し、白は美しい国土と平和、緑は実り豊かな農業と生命力を表しています。2本の赤い線は独立と主権を守る決意の象徴。三日月と星はイスラム教のシンボルで、12個の星は完全無欠さを表しています。
ウズベキスタン観光
5つの世界遺産や美しいイスラム建築が魅力のウズベキスタン。中でもサマルカンドブルーと称される青を基調としたイスラム建築美は、世界中からの観光客の目を魅了してやみません。
青の都サマルカンド
シルクロードの要衝で14世紀にはティムール帝国の首都として栄えたサマルカンド。きれいな青空と色鮮やかな青色タイルで装飾されたモスクが立ち並ぶことから「青の都」と言われています。
サマルは「人々が出会う」カンドは「街」という意味を持ち、その名の通り古くから東西文化の交差する街ということで2001年に「サマルカンド‐文化交差路」として世界遺産に登録されています。
首都タシケント
ウズベキスタンの首都タシケント。人口230万人を超える中央アジア最大の都市です。
ウズベキスタンの他の都市と違い、1917年のロシア革命や1966年のタシケント地震で古い建造物のほとんどが破壊されてしまったため、歴史的建造物が少ない代わりに地下鉄やタシケントタワーなど近代的な街並みを観ることができます。
地下鉄の駅は世界有数の装飾が施されていることで有名。タシケントタワーは中央アジアで最も高い(375m)建築物。
オペラやバレエを観劇できるナヴォイ劇場。シベリア抑留の日本軍捕虜が多数建築に関わり、タシケント地震の際にもびくともしなかったということで知られています。このような話が広く知られているのがウズベキスタンに親日家が多い所以となっているのかもしれません。
歴史的建築物の宝庫ブハラ
数多くの歴史的建築物モスクやメドレセ(神学校)が残るブハラ。旧市街地はブハラ歴史地区として世界遺産に登録されています。
ブハラを訪れて行かない人はいないと言われるくらい有名なカラーン・モスクをはじめ、4つの青いドームを持つチャル・ミナール、歴代ブラハ・ハーンの居城だったアルク城など、古のウズベキスタンらしさを感じることができます。
アルク城の城壁に上ると視界が開け、ブハラの街並みが一望できるのでおすすめです。
聖都ヒヴァ
ブハラと並ぶ宗教都市ヒヴァ。砂漠の入り口に位置する街で隊商路のオアシスとしても発展した街です。
2重の城壁に守られ、その内側の壁に囲まれた旧市街地「イチャン・カラ」は世界遺産に登録されています。城壁の長さ約2.2㎞と非常にこじんまりとした中に20ものモスクやメドレセが立ち並び、聖都と呼ぶにふさわしい景観を楽しめます。
ウズベキスタンの代表的な料理や食べ物
内陸国のウズベキスタンは肉料理がメインで、羊肉を中心に牛肉や鶏肉を使った料理が多くなります。宗教上の理由から豚肉はあまりお目にかかれません。
代表的な米料理プロフは有名ですが、主食はノン(ナン)というパンで、地域によって食感が異なるため、主食と言っても行く先々で違いを楽しむことができます。
絶対食べなきゃいけないプロフ
最も一般的で代表的な料理がプロフです。ウズベキスタン風のピラフで、お米や肉、にんじん、豆、レーズンなどを大量の油で炒め、塩と香辛料で味付けしたもの。地域や家庭、冠婚葬祭など行事ごとによっても様々なアレンジがされています。
串焼きシャシリク
日本の焼き鳥のように、ブロック肉やミンチ肉、魚や野菜など金串に刺して焼いた料理を総称してシャシリクと言います。メインはやはり肉串で、薄切りの玉ねぎに酢をかけたものが添えられていることが多く、一緒に食べると絶妙なおいしさです。
麵料理ラグマン
うどんのような麺とトマトベースのスープが特徴的な麺料理ラグマン。トマトベースのスープで羊肉もしくは牛肉と季節の野菜などが煮込まれたもが具材になっています。
うどんのようにたっぷりのスープに麺と具材が入ったスープ仕立てのもの、パスタのように麺に具材と少量のスープをかけたもの、焼うどんのように麺と具材を炒めた焼ラグマンもあります。
飾り模様も楽しめるノン
ウズベキスタンの主食ノン。当然のことながらウズベキスタンのどこでも食べられます。土窯で焼かれるパンなのですが、ノンに様々な模様が施されていて、模様の違いも楽しみの一つです。
ミートパイ「サムサ」
サムサはパン生地やパイ生地に挽肉や野菜などを包んで焼いたミートパイのようなものが主流です。バザールや露店などでも販売されていて、おやつ感覚のファストフードとしても親しまれています。
ほとんどの人がイスラム教ということで、ウズベキスタンではお酒飲めないのでは?と考えている人が多いかもしれませんね。しかし、お酒にかなり寛容なお国柄で飲酒に関しては心配ありません。スーパーでも販売されていますし、酒場もあります。
一度は訪れてみたいウズベキスタン
日本とは全く違う美しさがあるウズベキスタン。世界に2つしかない二重内陸国(海に出るまで2つ以上の国を跨がなければならない国)の一つなので、島国である日本とはかけ離れた魅力があります。
少し言葉の壁が気にかかるかもしれませんが、スマホの通信インフラが整備されていますし、現地で日本語ガイドをお願いすることもできます。まして日本からの観光ツアーなら問題ありませんしね。
サマルカンドブルーと称されるほど鮮やかな青色タイルで装飾されたイスラム建築美と、自然が作り出す紺碧の空のコントラストをぜひ見に行ってみてください。