日本では習慣のないチップですが、外国では給料+チップで家計を成り立たせるほど当たり前にチップが習慣化されている国もあって、慣れない文化かもしれませんが順応しなければなりません。
ではウズベキスタンでのチップ事情はどうなっているのでしょう?
基本的にはチップを払う必要はありません。旧ソ連圏の国だったということもあり、皆無というわけではありませんが習慣化はされていません。
しかし、几帳面な日本人には馴染みにくい文化も存在します。時間を守らないウズベク時間という言葉があるように、お金にもアバウトな一面があります。
チップと思われた?お釣りが返ってこない
ウズベキスタンでは買い物した時やレストランでの支払いの時に、何も言わず当たり前のようにお釣りが返ってこないことがあります。これはチップどうこうという話ではなく、お金に対する習慣や考え方の違いがあります。
ウズベキスタンの貨幣は50、100、200、500スムが硬貨で、1,000スム以上は紙幣になります。ほとんどのウズベキスタン人は硬貨を持ち歩かないので、お釣りがコインならいらないという人が多くいます。
コンビニやスーパーでは硬貨のお釣りも返してくれますが、レストランやタクシーでは返してもらえないことがほとんどです。スーパーではたまにお釣りの代わりにアメなどのお菓子をくれることもあります。
「ちりも積もれば」という考え方のある日本人には馴染みにくい習慣ですが、
- 1,000スムあってもお金持ちにならない
- 自分はケチじゃない
- お金より心が大切
といった考え方がウズベキスタン人には浸透していて習慣化されています。お釣りが返されなければ日本では大きなクレームになりますが、ウズベキスタンではそんなクレーム言う人がダメな人とみなされてしまうそうです。
しかし、外国人である私たちには度を越してこのような習慣を利用されるのは心外です。どれくらいなら適正なのか知っておきたいところですよね。
明確な基準はないようですが、5,000スム以上はお釣りを渡さなければならず、未満はそれぞれといった感覚のようです。それでも最近はお金を大切にするようになり、1,000スム以上だったらお釣りを要求する人が増えてきているそうです。なので5,000スム以上は必ずもらう、それ以下の紙幣は日本円で数十円なので裁量で、1,000スム未満の硬貨は無いものと思うといったところが妥当のようです。
チップは必要なくても外国人価格
チップの習慣が無いとはいえ、貨幣価値の差を理解しているウズベキスタン。観光地の施設入場料などでは現地の人と外国人で料金が数倍違うということもあります。
例えば2020年にオープンしたタシケントのビクトリーパーク(G’ALABA BOG’I)。政府主導で造られた第二次世界大戦の戦勝記念公園ですが、公園と博物館の入場料を合わせて現地人は10,000スム、外国人は80,000スムとなっていて、なんと8倍もの価格差があります。さらにカメラを持っていると外国人には撮影料として30,000スムの支払いを求められます。
極端な例ではありますが、カメラ撮影まで入れても日本円で1,100円程度なので施設の充実度を考えれば日本では納得のいく価格かもしれません。しかし、これほどの価格差は驚いてしまいますね。
ちなみにウズベキスタンでは撮影は別料金という施設は多々あります。
チップ?それとも賄賂?
優美なイスラム建築の見学はウズベキスタンの外せない観光ルートです。入場チケットを購入しようと売り場付近にいると施設関係者のような人に「特別なところを見せてあげるよ」などと声をかけられることがあります。
ちょっと怖さも感じるところですが、実際に見学ルートには無い景観の良い屋根の上などへ連れて行ってくれます。しかし、このような場合は必ずチップを請求されます。
施設関係者が堂々と闇営業をしている感じですが、確かに一見の価値ありと感じるところもあるので、もし誘いに乗るのであれば先に価格交渉をしておくと安心です。
チップは心づけ
たとえチップが習慣化されてない日本でも、サプライズ的に心づけをもらうと嬉しいものです。いただいた相手には、いつもより少しでも良いサービスを提供してあげようと考えるのが心情だと思います。
ウズベキスタンの人だって同じです。感心するようなサービスを受けたときは気持ちよくチップを払うようにすると、よりいい旅ができるはずです。
貨幣価値のおかげで欧米に比べれば小さな金額でも喜んでもらえるので、快適な旅をするツールとしてチップを活用するといいでしょう。